倒伏しにくいイネ作り、への字稲作
2017年の稲作は思いもかけず多くのイネが倒伏しました。
私のイネはへの字稲作で中間施肥をしたあとは周囲よりも圧倒的に葉色が黒くなったので倒伏候補筆頭と目されていたはずですが、軽傷で済みました。
慣行稲作(V字型)では薄緑のイネでも倒伏しているのを見かけました。
私は葉色を参考に追肥の量を変えたりする事が多いので慣行栽培を見ていると難しいなと感じます。
倒伏でお悩みの方にはぜひへの字稲作を試していただきたいと思います。
私のイネ作りの教科書は、農文協から出ている、
「ここまで知らなきゃ損する痛快コシヒカリつくり」
という本です。
への字稲作の概要は、
1.イネの生育初期には肥料を控えゆっくり成長させる。
2.出穂45日前に元肥的な中間施肥を行う。
3.穂肥窒素を入れないで硫酸カルシウムやリン酸で生育を引き締める。
というものです。
初期に肥料を控えたりなんかしたら早期茎数確保が出来ず、茎数不足に陥るのではないかと慣行栽培をされてきた方は心配されると思います。
実は早期茎数確保によって出た分けつこそがクズ分けつなのです。
ゆっくり生育したイネはじっくり茎が太くなっていきます。
中間施肥後のイネは急速に分けつを始め、しかも茎太なので茎同士が押し合い株が開きます。(開帳)
この太い茎のおかげで少々の事では倒れない強い体が出来上がります。
この著書の中で井原豊さんは慣行栽培の矛盾を厳しくユーモラスに指摘しています。
この本を実践してみる事によってイネ作りに限らずすべての仕事について探究心を持つ事、物事を鵜呑みにせず自分の目で確かめる大切さを教わりました。